第十一章-後編-



「死んじゃうよ!」

フォックスの心臓がぎくりと跳ねた。

「リム……」
「皆でお家に帰るって、約束したじゃない」

いつの間にかラディスの元へ子供たちが駆けつけていた。その内のリムがラディスの手を握って、体を震わせながらいやいやと首を横に振っている。

「いい加減にしたってや、ラディス!」

涙目で声を上げるのはドンキーである。

「これ以上心配させんといて!」
「そうですよ」

リンクは顔を顰める。

「貴方、無茶し過ぎですよ。戦うのが戦士でも、生きて帰るのは当然でしょう」

ラディスは顔を俯かせた。

「餓鬼どもはその馬鹿見張ってろ」

クレシスは前に進み出て要塞を睨みつける。

「どうするんですか?」
「一点を集中攻撃して穴を開く。中に入れるってことはそこの馬鹿が証明した」

そう言ってクレシスはぶつぶつと呟き始めた――かと思えばどうやら無線を繋いだらしい。現在メンバーは要塞を取り囲むようにしてばらばらになっている。目的の為にもまずは集合するよう彼らに連絡をしたのだろう。

「……子供って、俺もかな」

暗く影を差してフォックスは小さく呟いた。

「ラディス……」
 
 
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