第十一章-後編-



「お前って凄いんだな」

何でもない物事に単純に興味を持ち、感動するような。

童心ではなく、純粋な好奇心と正義感に突き動かされて動く。


そんな男に出会った。


ただの『設定』に苦しみもがく戦士たちを。

予想を上回る言動で自分たちの世界に連れ出した。救い出した。


彼だけは違った。


だから。ほんの少しだけ期待したんだ。

本当の自分を知ったら。“この世界”の全て、真実を知ったら。


興味本位で差し出してみた、ただそれだけだったのに。


「マスター!」


どうして。


「マスター!」 
 
 
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