第十一章-中編-



……そうだ。

ただ佇んでいるだけかのように見えるあれも、もしかしたら次の形態に変化する為の前準備をしているのかもしれない。これまで多くの攻撃を食らってきたのだ、体力の回復を図っている可能性だってある。

どちらにせよあちらが仕掛けてこない内にどうにかしなくては――

「全く、動かないんですけどねぇ」

状況に見合わない普段の間伸びした声でヨッシーが言った。

「……え?」
「ラディスは寝てましたからね」

気を失ってたんだが。

「実は二十分以上経ってるんですよ」

リンクが答えた。

「貴方が目覚めるまでの時間。ただ、佇むだけ……」

振り返る。

「ですが安全とは言い切れません。言ってみればチャンスなんです」

それもそうか。あちらが動かないのであれば此方が圧倒的に有利――

「かと思って攻撃を仕掛けたのですが、駄目でした」

おいおいと突っ込みそうになる。

「つまり、」
「はい」

リンクははっきりと告げた。

「手詰まりです。どうしようもありませんね」
 
 
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