第十一章-中編-



叫び声と呼応するように背景の黒に白い電気のような閃光が駆ける。

フラッシュバックのように。白と黒が何度も反転した。


そしてまた。視界は白に蝕まれる――


「ラディス」


……声が聞こえる。


「ラディス!」 

はっと目を開いて咳き込んだ。視界が朧げではっきりとしない。

でもこの空気は、体が覚えている。まさかここは――

「ラディス!」


……次に目を開けた時。

そこは魔獣の胃袋の中ではなく荒れ果てた瓦礫の街だった。

「あ、れ」
「気がついたんだな!」
「無茶しやがって」

ラディスはフォックスの腕の中にいた。

「……心配したんだから!」
「ヒヤヒヤさせおって」
「食べられちゃったかと思いましたよぉ」
「……え」
「あんた食われたんだよ」

カービィがひょいと覗き込んで信じ難い事実を告げる。

「フォックスを突き飛ばして、代わりにあんたが食べられたの」
「……でも」

ラディスはこぼした。だとしたらこの状況は――?
 
 
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