第十一章-中編-
……そんなこと、言われたって!
マスターだって俺たちを傷付けたくないんだ、そんなことは分かってる。だからといって素直にこの場から撤退したら、残された街の住民は? 俺たちがやっとこの場に留めているそれだけなのにその俺たちが身を引いたら他の誰かでは役が務まらない。自分たちを守れても、この世界を守れないのでは意味がない。
じゃあどうする? どうすれば止められる?
「ミサイルランチャーも効かないのか!」
精鋭機関の男たちが騒いでいる。
「うっ……うわああぁあ!」
此方がほんの少し攻撃の手を緩めただけで、ほら。
「ぎゃあああっ!」
次の犠牲が――
「マリオ! 何をぼうっと突っ立っておるのだ!」
クッパの足下に赤の魔法陣が生成、腕を払い火炎を魔獣に向けて放つ。
「そんなことでは我が輩のライバルは務まらんぞ!」
「うるさいっお前なんかこの戦いが終わったらコテンパンに伸してやるからな!」
「この戦いが終わったらな!」
炎が魔獣を取り囲む。
「ぬおぉおおぉお……!」
身動きを封じられた魔獣の真上からガノンドロフの拳が降り注いだ。