第十一章-中編-
「ユウ!」
ラディスははっと振り返った。
見ればヨッシーが頭を抱えて今にも倒れそうであるユウの身を案じている。
「ぁ、未来が……」
まさか。
「皆さん構えてください! そいつ、また仕掛けてきますよぉ!」
ヨッシーが叫んだ。
次の瞬間。魔獣は吠え声を上げて紫のエネルギーを体の表面に滾らせた。それは電気が擦れるようにバチバチと音を立てて、やがて――放出する。
直ぐ様フォックスやファルコが前に出て反射性能を持つバリアを張り出し後方の無防備なメンバーを守った。魔力を持つピーチやクッパも手を差し出し、光を宿して直撃を防ぐ。魔獣が次に声を上げた時、ユウは再び呻き遂に崩れ落ちた。
「……やめるんだ、マスター!」
ラディスはたまらず叫び立ち上がった。
「これ以上はユウの体が持たない!」
恐らく暴走するクレイジーの動作を先読んで未来をユウに伝えているのはマスターなのだ。確かにそれで危機は逃れているが、ユウは子供。あれだけ苦しそうな声を上げていて平気なはずもない。これ以上続けたら――!
「っ、」
頭の中に電子音が響く。
――逃げろ。