第十一章-中編-



「ぁ」

強い吐き気と頭痛が襲ってユウは天を仰いだ。

視界が暗転し、雪崩のように映し出される映像の群れ。破裂しそうな情報量にだらりと血涙が流れるのを感じた。遠く呼ぶ声がする、だけど逆らえない。


――見せられている。


「あぁああぁあ……!」

ユウは声を上げた。

地面を突き破って暗い紫の棘が、無数に。それは、戦士たちの体を貫いて。

「あの化け物から離れて……!」


サムスは魔獣を振り返った。それより早く駆け出したのはファルコン。

「ファルコン!」

魔獣はぴたりと貪るのを止めておもむろに頭をもたげる。

注意を逸らすべく接近を仕掛けたファルコとの距離はもう近い。目のようなものは窺えないがぎろりとファルコを捉えたような気がして。本人もそれは感じ取ったのだろう、思わず立ち止まった。――そして。

「え」

足下の地面がひび割れる。
 
 
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