第十一章-中編-
激しい剣戟が織り成す。頭の中にまで響くような、金属音。
「きゃあっ!」
振り下ろされた一撃を間一髪、横に飛び込んで躱した。仰向けに倒れ込んだリムはゆっくりと腕を立てて体を返し擦り剥いた自分の膝を見つめて。
……痛い。夢じゃないんだ。
「リム!」
はっと顔を上げた頃には剣はその身を再び振りかざしていた。振り下ろされる寸前叫んだドンキーが飛び込み、手首を掴んで攻撃範囲からの脱出を試みて。
「リンク!」
走りながら、振り向き促した。直後に駆け込んだリンクが剣を払い、弾く。切り返しを受けるつもりはない。後方へ飛び退いて回避する。
凄まじい音と共に砂塵が舞った。
「……ばかたれ!」
ドンキーはひと息ついてリムを怒鳴りつけた。
「何をぼさっと突っ立っとんのや!」
「……りたい」
「なんっ」
「帰りたい」
ぽとりと雫がこぼれ落ちる。
「痛いの、やだよぉ」
遅れて駆けつけたリンクが目を細め、逸らした。
「お父さんとお母さんに会いたいよぉ……」