第十一章-中編-
剣が振り下ろされた。――だが。
「っ、」
交差するように駆ける赤と緑の炎の柱。青と赤の斬撃がそれぞれ一線。
剣を弾いた。
「交渉失敗ってやつ?」
自身を庇うようにして腕を構えていたラディスは恐る恐る退けた。
桃色の髪がふわりと風に揺れる。
「あんたにも説得できない相手っているんだ?」
「……出来るとは思ってなかったさ」
「まっいーけど。……僕たち」
ぶんとその手に持った剣を打ち払う。
「借りを返さなきゃいけないんで」
ごほっ、と咳き込んだ。
「大丈夫かい? 兄さん」
「……ああ」
マリオは手を払った。
「何とか一撃は防いだか」
「うん。でも直ぐに次が来るよ」
「んなの分かってるよ」
小さく息をついて駆けつける。
「……おいピーチ! いつまで寝てるんだ、起きろ!」