第十一章-中編-



剣が振り下ろされた。――だが。

「っ、」

交差するように駆ける赤と緑の炎の柱。青と赤の斬撃がそれぞれ一線。

剣を弾いた。

「交渉失敗ってやつ?」

自身を庇うようにして腕を構えていたラディスは恐る恐る退けた。

桃色の髪がふわりと風に揺れる。

「あんたにも説得できない相手っているんだ?」
「……出来るとは思ってなかったさ」
「まっいーけど。……僕たち」

ぶんとその手に持った剣を打ち払う。

「借りを返さなきゃいけないんで」


ごほっ、と咳き込んだ。

「大丈夫かい? 兄さん」
「……ああ」

マリオは手を払った。

「何とか一撃は防いだか」
「うん。でも直ぐに次が来るよ」
「んなの分かってるよ」

小さく息をついて駆けつける。

「……おいピーチ! いつまで寝てるんだ、起きろ!」
 
 
52/78ページ
スキ