第十一章-中編-
“トン(短点)”と“ツー(長点)”を組み合わせて作る、符号のことか。
「……分かるのか?」
「アカデミーで習ったからな」
ファルコは腕を組んで顔を顰める。
「……逃げろ」
フォックスは信号の内容を口に出して繰り返した。
「暴走している。……制御が利かない」
いつの間にかそれがマスターの声となって再生される。
「……このままでは」
世界を。
壊してしまう――
「んなっ」
ファルコは目を開いて剣を見上げた。
「……ふざけんな! 大体てめえはさっき死んだはずだろ!」
感情露わに声を荒げる。
「勝手に生き返っておいてイカレたこと抜かすんじゃ」
「クレイジー!」
次に叫んだのはラディスだった。
「……そこにいるんだな?」