第十一章-中編-



――そこには。


「……!」


剣があった。

砂塵を払い除けた正体は先程の巨大な剣。巨大――といっても初めの巨人より幾分か小さく大きさにして約半分。それにしたって大きく、呆然と。

ただ。見上げる。

「ラディス!」

はっと現実に引き戻された。

ゆるりと、剣がその巨体を持ち上げたのだ。

「……もうやめろ!」

ラディスは構えるよりも先に腕を払って。

「君だって、こんなことはしたくないはずだろう!」

叫ぶ。


「マスター!」 


……え?


フォックスは銃の構えを緩める。

「……マスター?」
 
 
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