第十一章-中編-



な、なに……?

頬に赤の一線が走ったかと思うと続け様マントが裂かれた。痛い。

右肩から左の横腹にかけて。線、線。痛い、痛い、痛い。


「ぁ」


分かった。

俺、斬られてるんだ。


「は」

ロイだけではなかった。

同じ頃、カービィも腕や腹を斬られて。ふと横を見れば、マルスも。


……なんで?


「ぇ」

視界にようやく捉えたのは、あの霧や煙が生み出した――巨大な剣。

ひとつじゃない。ちょっと待ってよ、五本もある。

「……なに」

それ、と言い切る間もなく視界が赤く塗られて。


……ああ。

人が殺される直前の視点って、こんななのかなぁ。
 
 
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