第十一章-中編-
合わせて、の声に静かに頷く。
巨人は残った右腕を大きく振り上げると、声を上げながら地面に叩きつけた。その箇所を中心にずん、ずんと段を付けて地面が抉れていき、分離した地面の破片や礫が飛び散る。砂埃や塵が舞い上がる。その中へ。マルスとロイは飛び込んだ。
数秒と待たず右手周辺を包み込む煙を突き抜けて右腕正面をマルスが、右側面をロイが、それぞれ剣を構えて駆け上がっていく。ずるり、足を滑らせそうになれば構えた剣を垂直に突き立て、掻くようにしてとにかく上へ、上へ。
僕たちが。俺たちが。
――終わらせる!
「カービィ!」
マルスの呼びかけに応じてカービィは一度空中で弧を描くように大きく宙返りをすると、降下。先程と同じく両腕をクロスさせて。マルスとロイは頂点に達するより数メートル手前、剣を腕に突き立てたまま。引き裂いて、駆け上がる。
「うおおぉおおおおッ!」
気迫を持って声を上げる。
「いっけええぇえええええ!」
三人が、交えた。
黒い霧や煙が噴水のように噴き上がる。耳を劈く、声。
腕を斬り落とされた右肩を蹴って空中に跳ぶ。
映し出される光景を目の前に、仇は取れたのだと。
「やっ」
……安堵して。