第十一章-中編-
左肩手前の二の腕辺りで高く跳び上がり空中で前転を二回。回転を加えた上で降下しながら左肩目掛け勢いよく剣を振り下ろす。霧や煙が血飛沫のように噴き出して止まない。構わず突き立てた剣に重心を乗せて左右に引き裂く。……浅い。
「これならっ」
引き抜くのと同時、数歩踏み出たが刹那蹴り出して跳び上がり後転。両腕をクロスさせて空を蹴り急降下、左肩を目前に掻っ切るように腕を開く。
「どうだあぁあああッ!」
赤い三日月の斬撃が放たれた。それはまるでギロチン台の刃を落とすかのように真上から、ばつんと左腕を斬り落として――
「ァアアアァアアアアアアアッッ!」
――超音波のように恐ろしく甲高い悲鳴が上がった。
カービィは急ぎ、後方に飛んで距離を取る。
まだ、終わっていない。
「マルス! ロイ!」
叫んで高く飛び上がると翻るようにして右腕目掛け降下。
「合わせて!」
これ以上の被害は許されない。
カービィは顔を顰めて僅かに刃の欠けた剣を構えた。