第十一章-中編-



まただ。

映し出された映像にノイズと、辺りは暗闇と共に不穏な空気が渦を巻く。

ほら。闇を掻っ切るようにして現れたのは金色の閃光。遥か遠く、暗闇の先にある赤黒い光を灯した塊へ。物凄い速度で突っ込んで。


どうして……

ぱっぱと映り込む映像に呆然と口が動く。


「……ごめんな」


ギュンと映像が高速で巻き戻されて収束する。ばちんと現実に引き戻された。

「っはあ」

かと思えばまた別の映像が視界を遮った。

――巨人が腕を大きく振り上げて地面を叩きつける。複数の人間がトランポリンを跳ねるように宙を舞って、その隙に巨人はもう一方の腕を大きく薙ぎ払った。


赤が舞う。声が響く。


「やめてくれ……」
 
 
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