第十一章-中編-
ぎくりとした。
「マルス!」
どうして。いつの間に。
「音や声で彼が反応するのなら」
あんなところに――
「初めからこうすればいい」
マルスはクレイジーの背後に立っていた。あの時傍に居たロイとカービィになんで止めなかったんだと咎めたいところだったが今にも飛び出さんとする勢いのロイをカービィが腕を掴み止めている。
許したのは、彼か。或いは焚き付けたのかもしれない。
「マルス」
息を呑んで口を開いた。
「戻ってくれ。何が起こるか分からない」
「何を迷う必要があるんだい」
返事は直ぐに返ってきた。
「それは」
「君が何を知っているのか僕たちは知らない」
「マルスっ」
「知ろうとも思わない」
クレイジーの視線はマスターに注がれている。