第二章
油断した。思っていたよりずっと速い――
蹴りを躱して懐に飛び込んだが、彼の頬を青い電気が小さく音を立てて走ったので、瞬時に飛び退いた。刹那、放たれた稲妻が地面を駆け、襲いかかってきて。
「くっ」
地面を蹴り、高く跳び上がったと同時に稲妻は、マリオが元居た場所に到達して大きな爆発を起こした。幸い大事には至らず、煙に巻かれながら上の足場に着地して。
「は……、っ!」
咳き込んでいる間もなく、ラディスは煙を破って詰め寄ってきた。突き放そうと蹴りを繰り出すが躱され、懐に潜り込まれて。
「ッが」
下から上にかけての拳の突き上げ――
「ちっ」
顎への直撃を許したが、次の蹴りは躱して跳び上がり、マリオは反対側の足場へ。