第十一章-中編-
「ッッ!?」
……なんだ今の感覚。
びりびりっと電気のようなものが全身を逆撫でるようにして駆けた。
当然それはただの感覚であって実際は何も無かったわけだが、けれど何故か次の瞬間マリオとルイージは顔を見合わせていたのだ。瓦礫の上に腰を下ろしていたヨッシーは片足を立てて臨戦態勢に、リンクも辺りに目を配らせ警戒している。彼らに限らず、メンバーの殆どが不審そうに顔を上げていた。
「出来ますよ」
ヨッシーが険しい目つきをして言った。
「それがどんなにデタラメでも」
誰も薄々と感付き始めていた。
覆すのではない。
死を。可能性(フラグ)を。
発生するよりも先に“壊す”ことが出来たとしたら。
「くっ」
マリオは眉を顰めてそちらを見た。
ちょうど男たちが体を起こそうとしていたところである。
「そいつから離れろ!」
マリオは叫んだ。
「早く!」