第十一章-中編-
「……本当に死んだんでしょうか」
ぽつりと言った。
「だって、彼は創造神なんですよね?」
ルイージは怪訝そうに眉を顰めている。
「大袈裟な話がこの世界を確立させている謂わば中心核で、だとしたら彼が死んだ瞬間跡形もなく無くなってしまう筈じゃないですか」
「そんなこともないんじゃないか?」
口を挟んだのはマリオである。
「そうだとすりゃそのことネタにして手出しさせなかったろ」
「盾にするような人だったでしょうか」
「マスターはともかくクレイジーはしただろうね」
ヨッシーは何処か腑に落ちない様子だ。
「この世界は何ともない、俺たちだってこの通りだ。一体何が不満なんだよ?」
痺れを切らしてマリオが聞いた。
「……無事だからですよ」
三人の視線を集めたのはリンクだった。
「『ゲームのキャラクター』である俺たちに何の弊害もない」
リンクは歩きながら語り、そして見上げる。
「俺たちに関して言うならば彼の立ち位置は管理者……管理を施す彼の命が本当の意味で失われたならば俺たちにも何らかの支障、いわゆるバグが発生するはず」
ヨッシーはこくりと頷いた。