第十一章-中編-



ヨッシーは瓦礫の上に腰掛けて風に靡く髪を手で軽く押さえた。

「お疲れ様」

不意に声をかけたのはルイージである。

「浮かない顔だね」

ヨッシーは流れる髪を耳に掛けて見下ろした。

「……疲れちゃったみたいで」

周りを見渡すと互いの身を案じる者、腰を下ろして休む者、既に緊張の糸が解けて顔を綻ばせ言葉を交わす者。緊迫としていた空気が少しずつ、少しずつだが和んでいくのが分かった。それでいい、いいはずなのに。


……何だろう。この違和感は。


「あのぅ」

ルイージは見上げた。

「僕たちって『ゲームのキャラクター』なんですよね」

少し遅れて、うん、と小さな声が返ってきた。

「それがどうかしたのかい」

ヨッシーは遠目にマスターの遺体を見た。
 
 
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