第十一章-中編-
カービィはぐっと腕を上げ空へ向かって体を伸ばした。
「働いた働いた、っと」
正直神様を相手に何処までやれるか不安だったけど。
終わってみれば怪我だって大したことないし、案外呆気なかったな。
「よう」
振り返るとちょうどロイとマルスが駆けてきたところだった。
「おっつー」
「なんだピンピンしてるな」
ロイは拍子抜けしたように半笑いを浮かべた。
……実はクレイジーとの戦闘中、カービィは幾らか隙を突かれて攻撃を打ち込まれそれはもう派手に飛ばされていたのだ。マルスがちらりと視線を遣った通り腹部に二回と肩に一回、加えて腰に一回とそれぞれ重い攻撃を受けている。
ぜえぜえ言いながら屈み込んでいるかと思えば、これ。そういえば彼は自然治癒能力が高いのだと以前にも聞かされたようなそうでないような。
「あれ、もしかして心配してくれたの?」
察してカービィがからかうように頬を緩めて笑う。
「当たり前だろ。仲間なんだから」
ロイが包み隠さずはっきり公言すると。
「へえー」
珍しく二人が声を揃えた。一方は照れ臭そうに、もう一方は突き刺すように。
見比べて疑問符を浮かべるロイにその心内が分かるはずもなく。