第二章
三度目ともなるといい加減この不思議な感覚にも慣れてくる。ラディスは安定して戦場に降り立ち、対戦相手を見つめて。
「まさか、お前がここまで勝ち上がってくるとはな……さすがに驚いたよ」
マリオは淡々と話していた。
自分がここに立っているのが当たり前だというように。そして、焦りも感じられず。
「君は……」
「御託は不要だ。お前はここで負ける」
まるで勝利を確信したかのようなこの男は。開幕を示すかのように片手を突き出し、手のひらから真っ赤な炎を放った――
「凄かったんだな、ラディスって」
観戦しながら、フォックスは呟いて。
「初めて会った時はどうかと思ったけど」
「どうだろうな」
口を挟んだのはクレシスである。
「別に、ここにいる全員と戦ったわけじゃないだろ。特にあいつの場合、不戦勝だったから一戦少ないし、相性もある……」
随分と手厳しい。
「少しは褒めてやったらいいのに」
「褒めそやすのがダチか? 抜かせ」
フォックスは苦笑を浮かべて。
「俺とラディスって立場が似てるなぁ」
「んだよ、それ」
ファルコは怪訝そうに眉を寄せた。