第二章
「人様の事情に他人が首を突っ込むべきではないと思うなぁ」
バトルルームに入ってすぐ、扉の横で壁に凭れている人物が声をかけてきた。
カービィである。
「……他人じゃないさ」
ラディスはすれ違い様に応えた。
「同じ戦場に立つ、仲間だ」
モニター画面にはもう既に二人の男の姿が映し出されていて、ラディスはそれをじっと見上げていた。――いよいよ決勝か。
「よっ」
ぽんと背中を叩かれて、振り向くとそこにはファルコがいた。フォックスも。
「ここまで来たんだ、勝てよ」
「あまりプレッシャーかけるなって」
「だってよ、こいつ俺に勝ったんだぜ?」
それなのに負けたら、云々と呟くファルコにラディスはくすくすと笑った。
「……じゃあ、行ってくるよ」
あまり対戦相手を待たせるわけにはいかない。ラディスがそう告げると、フォックスもファルコも笑って送り出した。
「あまり無茶はするなよ」
「さっさと行ってこい」