第十一章-前編-
愚かしい。嘆かわしい。
……ふざけるな。
「ルイージ!」
ラディスとクレシスの真正面からの猛攻を全て防ぎ、受け流していたその時。
死角からの接近。すかさず姿を消失、距離を取るが現れたと同時左右を阻むように赤と緑の炎の柱が放たれた。一瞬の怯みこそ格好の獲物。背後からの強烈な蹴りの一撃に微かに背を反らし天を仰げば真上に影。――太陽の光が差した。
不潔だ下劣だ忌々しい。
人間にはどうしてそれが分からない?
「次、任せたわよ」
受けて墜落、地面に到達するそれまでの間にサムスはリムと手を打った。
どうしようもない、こんな世界の為に。
絶望に巻かれた過去を抱えながら、どうして。
「マスター」
血を吐いて立ち上がるマスターをラディスは見据えた。
「君には分からないだろう」