途端。

「……！」

まるでショートを起こしたかのように閃光がバリアを中心に駆けて崩壊。マスターが驚き目を開いている隙にゲムヲがバケツを手にもう一度ぐるっと反回転すると、バケツはブロックノイズに、それが縦に伸びたかと思うとハンマーへと姿を変えてゲムヲは迷わずそのハンマーを振りかざす。

振り下ろされたが、直撃を逃れるべく右目の瞳に青く光を瞬かせて目前にバリアを発生させるマスター。だが咄嗟の判断とだけあってそれに防御力など無いに等しくすぐに割れて弾けてしまった。

油断したか……くっとほんの少し顔を顰めて姿を掻き消し、追撃を躱す。そうしてまた一メートルにも満たない離れた位置に現れたその時。

「ッぐ」


頬に重い一撃が襲いかかった。


「ラディス！」

切り返さずにすかさず距離を取ってくれたのは助かった。

何せ、動きを読まれない為に電気回路フル衝動、ほぼ全力で突っ込んだからな……どんな反撃も躱すことは出来なかっただろう。

「っは……っは……」

それでもまさか本当に当たるとは思っていなかった。

多分、マスターも同じことを考えているはずだ。

「奴らの援護があって一発か……」

着地したラディスの隣に並んでクレシスははあっと息をこぼす。