第十一章-前編-



……皆。

「援護は任せた、クレシス!」
「っああ!」

二人は足の裏から電撃を放出するとそれをバネに飛び出した。

正面突破? 嘗められたものだ、援護とはいっても前述の通り常時というわけにはいかないのに。どいつもこいつもたちの悪い病に毒されている。


……信じたところで。

得られるものに対する代償は大きすぎて。


やっと辿り着いた其処でも。

世界の誰も俺たちの味方をしやしないのに。


「はああっ!」

声を揃えて拳を振るい脚を払って突撃するのをマスターはただ黙っていた。


……いいだろう。


だったら教えてやる。

現実を。

お前たちの行為がどれだけ愚かで。


無謀であるかということを。
 
 
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