第十一章-前編-
ぐいと引かれたがもう遅い。クレシスの体を上空へと引っ張って振り上げ、返す。
それはまるで鞭を打つかのように。
「くっ」
降下するが解けない。
――ぶつかる!
「諦めないで!」
激突の直前。光の蔓は幾つかの斬撃に切り刻まれた。投げ出されたクレシスの体は地面に浮かび上がった金色の光のクッションにより受け止められて。
「……!」
マスターは目を開いた。
「ってめえら」
着地したのはゼルダとリンクである。
「常に、というわけにはいきませんが隙を見て手を貸すぐらいなら出来ます」
リンクは剣を打ち払って言い放つ。
「貴方たちは俺たちが殺させません!」