第十一章-前編-
精鋭部隊を相手に苦戦を強いられていたのはそういうことだったのか。
此方側の攻撃のその殆どを軽減か無効化していたのも“俺たちだから”と理由が付くのなら納得がいく。けれど、だとしてどうやって対処すれば――
銃声。
「ラディス!」
目を開き、顔を上げる。
「皆で帰るんだろ!」
もう目の前にまで迫ってきていた光の刃を銃弾で撃ち抜くこと、三発。
「……譲るな!」
亀裂が走り、やがて。
「未来を譲るな!」
――弾ける。
「くっ!」
この程度の痛みがどうとしたことか。
ラディスは構えを取ると次々に飛んでくる刃を雷撃で弾いた。
「……ほう」
右手を打ち払い、左手を翳し、一回転して左腕を伸ばし、連続的に。
「クレシス!」
名を呼ばれた当人は舌打ちした。