第十一章-前編-
皆の目に映っているのは。恐怖? 迷い?
……いや。
違う。
「――DX部隊全隊員に告ぐ!」
ラディスは顔を上げた。
「これより貴殿らは拘束作戦に入る! 目標、クレイジーハンド!」
言葉に従って構える戦士たち。
「絶対に死ぬな! 全員、生きて帰るぞ!」
叫ぶ。
「リーダー命令だ!」
クレイジーが動いたのはその直後だった。目標は、銃を鳴らしたフォックス。
そうだよな。かっこ悪いよな。
皆の目に映るのが、こんな自分じゃ。
「ラディス」
向き合うんだ。立ち向かうんだ。
俺は。
今度こそ。