第二章
「ルイージ!」
追うようにバトルルームから飛び出してきたのはラディスである。ルイージは徐々に速度を緩めて立ち止まると、笑って。
「……分からないな」
拳を強く、握り締める。
「どうして、首を突っ込むんだい」
そうだ。彼が関わらなければ、結果は何も変わらなかったんだ。……それなのに。
「黙って見過ごすわけにはいかない」
「これは! 僕と、兄さんの!」
振り向き様に言いかけて、ルイージははっと口を噤んだ。ラディスは口を開いて。
「問題。……違うか?」
ルイージは顔を顰める。
「自分の行いは正しくない、兄の考えは間違っている。このままでは何も変わらない、誰の為にもならない。そこまで分かっていて、どうして声に出せないんだ?」
連なる言葉の羅列に、頭が割れてしまいそうだった。拒絶するようにゆっくりと首を横に振って、ぐっと奥歯を噛み締める。
「君には関係ない!」