第十一章-前編-
倒れていたポポが槌の柄をぐっと握った。
「っ駄目です!」
気付いたヨッシーが腕を立てて体を起こしたがもう遅い。
「ナナを離せえええっ!」
……ああ。
立ち上がったポポが槌を手に顔色を変えて全速力で向かってくるのをクレイジーは凍てついたその瞳でゆっくりと視界に捉えて呟いた。
「馬鹿な奴」
敵うわけないのに。
「そいつはどうかな?」
刹那、撃ち込まれる銃弾にはっと空を見上げる。
数発が足下に、その内の一発が頬を掠めてクレイジーは睨みつけた。
「振り落とされるなよ!」
……どういうこと。
さっき、戦闘機は破壊したはず。
なのにどうして。
「派手に暴れるぜ!」
こいつら、また――!