第十一章-前編-
……驚いた。
今の連携はクレシスが提案したのだろうか。
「ったく」
ラディスは振り返る。
「火力最大でタイミング合わせろなんて無茶だっつの」
「いいじゃないか兄さん、作戦は成功したんだし」
この声は。
「あっ」
まず初めにルイージが気付いて立ち止まった。頭の後ろを気怠そうに掻きながら、少し視線を外れていたマリオも遅れて気付くと足を止めて。
「……ラディス」
何故か懐かしかった。
もう何年も会っていなかったような。……いや。
多分そうじゃない。
「ッごほ」
ラディスが咳き込むとマリオとルイージは慌てて駆け寄った。
「おい大丈夫かラディス!」
その時、ようやくフォックス達も此方にやって来て。
「ラディス!」
事態に気付き駆け寄る。