第十一章-前編-
「よっと」
脱出したフォックスを空中で捕まえたのはカービィだった。
腕を両手で掴んだが重みによる負担も考えられるので少しずつ高度を下げて地面に着地。遅れてファルコを助けたヨッシーが着地すると四人は無残な姿となって燃え盛るアーウィンを見つめた。炎は外の空気をめいっぱい吸って勢いを増すばかり。
……双子の気配は感じられない。
「やったか?」
「フラグっしょ」
カービィは呆れたように返した。
程なくして。アーウィンは派手な音を立てて爆発。赤の混じった黒煙が上がるのを小さく肩を跳ねた一同は暫し呆然と見つめて。
「……出てこねえな」
吹き飛ばされた様子もない。
「その内ひょっこり出てきますよぉ」
「出てこられちゃあ困るんだがな」
ファルコはふとフォックスを見遣る。
「ローンが嵩む……」
「なに落ち込んでんの?」
「いや、こっちの話だ」
やれやれと溜め息。
「ほら行くぞ」
フォックスは顔を上げた。
「あいつに言うことあんだろが」