第十章-後編-



ダークリンクは顔を顰めて双子を鋭く睨みつけた。

もう、時間がない。今度こそ逃げられない。

「諦めたの? 賢明だね」

クレイジーは嘲るように笑った。


「――それじゃ本当にさようなら」


それぞれの魔法陣が白く眩く煌めいた。

幾つもの光が迫ってくる。

「ダークリンク」

最後、ラディスはその光の群れから目を外さず言った。

「信じるというのは命を投げ出すことじゃない」


……それは。


これまで戦ってきた仲間に。

「ッッ、」


――命を預けるということだから。


光の群れが降り注ぎ砂煙が舞い上がる。

しかし、それは。


眩いばかりの金色の光によって打ち払われた。


「……間に合いましたね」

巻いた煙を破って立っていたのは。

「よう」

見覚えのある黒髪が靡いた。

「待たせたな」


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