第十章-後編-



目を、開く。

「もっと沢山の世界を、その目で見て、感じるんだ」

伸びた手が頬を触れるのをダークリンクは払えなかった。

「……大丈夫」

ラディスは微笑した。

「変えられるさ。どんな運命も」


重なる。


あいつも、お前も。

「勝手なこと言いやがって……」


不意に拍手の音が聞こえたのでぎょっとした。

「はいはい感動的だねぇ」

肩を並べた双子が互いの手を打って音を鳴らしていたのだ。

「……でも」

不意に差し出すようにしながら指を絡ませそれぞれの手を繋ぐと。

「それ以上に」

クレイジーの瞳が赤く瞬き、

「無意味」

続けて発言したマスターの瞳が青く瞬いた。
 
 
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