第十章-後編-
程なくして魔法陣の中心から一本の光の矢が放たれた。
白い閃光の如く。ただひとつダークリンクに狙いを定めて。
……約束。
やっぱり守れなかった。
皮膚を破って貫く、閃光が駆け抜ける。
赤い鮮血が舞うのをダークリンクは目を開いて見つめていた。
「……なんで」
飛び出したのはラディスだった。
「お前っ」
心臓は逸れたが肩をもろに打たれた。
どさりと横たわるラディスを目に最後の力を振り絞り、体を起こし駆けつける。
「余計なことしやがって」
ダークリンクは膝を付いて抱き起こす。
「なんで……」
ラディスははあっと息を洩らしてうっすらと目を開けた。
「……君は」
眉を寄せて耳を澄ます。
「生きなきゃ駄目だ」