第十章-後編-
「ぁ……ッは……」
体が焼けるように熱い。
血が止まらない、自然治癒も追いつかない。
「くそ……」
畜生。
「やれやれ」
マスターは右手を上げて指を鳴らした。
「とんだ邪魔が入ったな」
運命は。無情にも蝕んでいく。
ほんの少し差した光さえ払い除けて奪い去る。
……なんでだよ。
なんで、俺だったんだよ。
「これでようやくトドメが刺せる」
マスターの背後にひとつの魔法陣が浮かび上がる。
「終わりだ」
静かに拳を握り締める。
「ダークリンク」
……畜生。
こんなはずじゃなかったのに。