第十章-後編-
……本当に?
それで。世界は救われる?
「今ここで仕留めりゃ被害は最小限に抑えられる」
「……俺が」
「そうだ」
ダークリンクは再び囁きかける。
「お前が殺すんだ」
ラディスは自分の手のひらを広げて見つめた。
……俺が、彼らを?
「おいおい今更迷うなよ」
ダークリンクは軽薄な笑いを浮かべて立ち上がった。
「あれは“オトモダチ”じゃねえ。単なる殺人鬼なんだからよ」
選択しろ。
どうしてあの時、マスターがそれを託したのか。
本当に選び取ってほしかった答えとは何だったのだろう。今それを考えたところでそれが何か分かるはずもない。……でも。
「違う」
ラディスはぽつりと呟いた。