第二章



「待ってくれ!」

後を付かれているとも知らずに急ぎ足で歩いていくその人物に、ラディスはすかさず声をかけた。その人物は立ち止まって。

「……弱点なんて見つからないと思うぞ」

その人物はゆっくりと振り返った。

「どうして、それを」

ルイージだった。

あくまで推測に過ぎなかったこの考えも、的を射ていたらしく。ルイージは鋭い眼差しでラディスを視界に捉えて。

「一回戦と二回戦の対戦相手だったリンクとカービィに、何らかの弱みを握って試合に負けろと脅しをかけた。違うか?」

ルイージは応えない。

「どうして、そこまでしてそんな」
「勝ちたいんだ」

驚くほど素直な答えだった。

「それだけ、なのか?」

恐る恐る訊ねる。

「……君には分からないだろうね」

ルイージは目を細めて。
 
 
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