第二章
ああやって面倒臭そうな顔をしておきながら分かりやすく説明をするクレシスは、巷で噂の“ツンデレ”なのだろう。
「つまり、俺みたいにピチューの段階じゃ電気を上手く扱えねーんだよ」
クレシスは腕を組んで。
「何にせよ、この体じゃ幾ら考えがあっても、感電しちまうのがオチってわけ」
その時、ラディスは人目を気にしながらバトルルームを出ていく人物を見つけた。
話の邪魔にならないようゆっくりと抜け出し、見失わない内にと小走りになりながら、先程の人物を追いかける。
「……ぶっちゃけ、尊敬してんだぜ?」
クレシスはふっと笑みを溢す。
「俺よりも早く進化するなんてよ。今回の試合だって、お前にしてはなかなか」
「あれ、ラディスは?」
そこでようやくフォックスが気付いて。
「ぶっ殺す」
「ラディスって損してましゅよねー」
リムはやれやれと溜め息。