第十章-前編-



「……俺」
「分かってる」

言うより先に返された。

「あいつなら絶対、大丈夫だから」


ラディス。

俺はお前が思っていたよりも曖昧な人間なんだ。


でも、だから。

馬鹿正直に何かを信じて飛び込んでいける。


お前を尊敬してる。


――だから、信じられる。


「……そうだな」

皆が信じてる。

「手間かけさせやがって」
「お互い様だろ」

何度でも立ち上がれる。


多分、俺たちは。

こうして何度も手を取り合って。


彼ら神様が思っていたより。もっとずっと別の存在に――
 
 
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