第二章
「って」
ファルコは思い出したように。
「そんな便利な技があったんなら、クレシス。オメーだって勝ててたんじゃ」
「ちょ、それ禁句」
拳骨。
「何から説明すっかな」
「俺が打たれた理由について」
ラディスは立派なたん瘤を指差して。
「人様に手ぇ出せるかよ」
「とばっちり……」
「まず、俺とこいつは種族が違う」
じとっとした視線を送るラディスを差し置いて、クレシスは説明を始める。
「種族?」
「同じポケモンだけどな。細かく分けると俺がピチューで、こいつが――」
「ま、待ってくれ」
フォックスは両手を突き出して。
「……普通の人間じゃなかったのか?」
「俺も。この御時世じゃ、電気を自在に操れるのを特殊すぎると思わなかったしな」
クレシスは盛大な溜め息。
「そっから説明すんのかよ……」