第十章-前編-
「なら、我が輩の勝ちだな」
クッパはふんと鼻を鳴らして見下ろした。
「これで貴様とのバトルにもようやく決着がつく」
……決着って。
俺がここで負けるってこと。
「……ふ」
マリオはばっと顔を上げて叫んだ。
「ふざけんな!」
勢いに任せて立ち上がる。
「こんなところで負けてたまるか!」
クッパは黙って見つめている。
「俺は死なない。野を超え山を越え海を越え、溶岩だって乗り越えてきたこの足がある。生死の境にぶち当たったって、乗り越えて必ず勝つ!」
執着している。
でもあの頃とは違う。
……勝ちたいんだ。
「今度は全員で! 負けたくなんかねえんだよ!」