第十章-前編-
誰かさんとは大違い。
あいつが飴ならこいつは鞭。それも飛び切り、痛いやつ。
「……とんでもないこと言うよね」
呆れた。
「はっ抜かせ。お前らが気付かなかっただけだ」
ふ、と笑ってカービィは手を伸ばした。
クレシスはその手を暫く見つめて、脇腹に蹴りを一発お見舞い。
「あっだ!」
ふんと鼻を鳴らして跨ぎ、退く。
「……クッパ。ガノンドロフ」
クレシスは腕を組み並べられた機械をしゃくった。
「燃やせ」
……え?
「二度も言わせるな」
それと、とクレシスは続けて。
「枷になるようなら一緒に燃やせ」
はっとフォックスは小さく目を開く。
「足手まといなんざこっちから願い下げだ。ここで切り捨てる」