第十章-前編-



誰かさんとは大違い。

あいつが飴ならこいつは鞭。それも飛び切り、痛いやつ。

「……とんでもないこと言うよね」


呆れた。


「はっ抜かせ。お前らが気付かなかっただけだ」

ふ、と笑ってカービィは手を伸ばした。

クレシスはその手を暫く見つめて、脇腹に蹴りを一発お見舞い。

「あっだ!」

ふんと鼻を鳴らして跨ぎ、退く。

「……クッパ。ガノンドロフ」

クレシスは腕を組み並べられた機械をしゃくった。

「燃やせ」


……え?


「二度も言わせるな」

それと、とクレシスは続けて。

「枷になるようなら一緒に燃やせ」

はっとフォックスは小さく目を開く。

「足手まといなんざこっちから願い下げだ。ここで切り捨てる」
 
 
41/49ページ
スキ