第二章



刹那、蹴りは横腹にヒットしてファルコの体は呆気なく吹っ飛ばされる。

「っ、」

空に体を投げ出され、とにかく崖に掴まらなくてはと手を伸ばした。――が、途端に腕が震え、意思とは関係なく引っ込んで。


今、何が起こった?


「ぁ」

それもすぐに理解した。

びりびりとした感覚に己の腕を見つめると、小さく青い電光が走って。そういうことかと悟った時には既に遅かった。


この手はもう、届かない。


「ラディス!」

バトルルームに帰ってくると、真っ先に飛び付いてきたのは案の定リムだった。

たった数分の出来事なのに、色々と考えを巡らせていたお蔭でもう何時間もあの中にいた気がする。ラディスはリムを受け止めつつ、モニター画面を振り返って。
 
 
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