第二章
案の定、ファルコは小型装置に軽く触れると先程と同様に反射バリアを張り出した。
駆け出すラディス。それよりも早く稲妻がバリアに到達し、反り返るようにして弾かれ、元来た道を走り出して。
「分かり切ってんだよ」
ファルコはホルスターから二丁の拳銃を取り出し、それぞれ構えて言い放つ。
「てめえの考えは!」
ラディスが地面を強く蹴り出したのを見計らって、ファルコは銃口を空へと向けた。
自分の計算に狂いが無ければ、稲妻を避けようと空に跳び上がったラディスが射程に入るはず。――そう。狂いが無ければ。
ばちばちと鋭い音が鳴り響いて。
「な、」
ファルコは目を開いた。
あの反射バリアで跳ね返した飛び道具は、威力も増して危険なはず。なのに、何であいつは自ら稲妻に突っ込んで――!?