第二章
あちらが同じ蹴り主体では、せっかくの攻撃も通用しないだろう。それに加えて、あの反射バリアが此方の主力を殺してくる。
「ちっ」
接近からの回し蹴りを身を屈めて躱し、バク転と同時に蹴り上げて後退する。
蹴りはファルコの顎を掠めたようだったが、やはり大したダメージにはなっていないようだ。ラディスは瞼を閉じて。
――あの反射バリアは恐らく、飛び道具の威力や速度を数倍にして跳ね返すものだ。
「おいおい。こんな時に考え事か?」
ファルコは笑って。
するとラディスはゆっくりと瞼を開き、片手を真っ直ぐ前に突き出した。
肩から指先にかけて青い稲妻が走り、やがて、ばちばちと音を立てながら勢いよく放たれる。地面を駆けるそれはまるで獣のように、獲物と見定めたファルコの元へ。
「そう何度も何度も」
ファルコはにやり、身構える。
「通用すっかよ!」