第二章
「ばかっ」
所変わって、バトルルームで観戦していたリムは思わずそう声を上げた。
何がだよ、と言いかけたクレシスも、彼らの普段の装備や、フォックスが“うちのエースパイロット”と発言していたことを思い出し、そういうことかと納得して。
「……言っとくが、無謀とは違うぜ?」
顔を向けるフォックスに、クレシスはくすっと小さく笑みを溢す。
「あいつのはただの好奇心だ」
――駆け出したラディスは走りながら電気を蓄え、青い光を体の至る所に走らせていた。ところがファルコはその場から動かず、ただじっと構えていて。
何かある。ラディスは地面を蹴って高く跳び上がると、手を翳してそこから青い稲妻を放った。稲妻はばちばちと音を立てながら、真っ直ぐと構えるファルコの元へ……
「っ、」
ファルコの手が伸びた先に、その秘策はあった。ラディスはすかさず体を捻り、横に逸れると地面に着地して。