第二章
ラディスの頬を青い光が走る。
続いて風も吹いていないというのに髪がふわふわと不自然に靡けば、ファルコは何かを察したかのように顔を顰め、空中で体を捻って横に逸れた。
――その、次の瞬間である。
凄まじい破裂音が鳴り響き、青い電光がラディスの体から放たれたのだ。直撃は躱したものの、ファルコは頬を掠めて。
「……やっぱりな」
ファルコは地面に着地すると、何故か不適ににやりと笑って。頬に出来た黒焦げを手の甲で拭うと、それはすぐに消えた。
「驚いた。気付いていたのか」
直後、その場を退いて距離を取っていたラディスは目を丸くし、見つめて。
「オメーの相方。色はちげぇけど、同じような技を使ってたからよ」
成る程、他のメンバーの試合をよく見ていた証拠である。ならば多用は出来ないだろうが、あの余裕の笑み……何か対策を立てているのだろうか。だったら話が早い。