第九章



「おや」

カービィは顔を上げる。

「ラディスじゃないですか」

ああ戻ってきたんだ、そう思って、

「それにフォックスも」

目の色を変える。

「下がって」

話が進む前に行動に出た。集まった子供たちを右腕を払って後ろに追いやり対象を睨みつける。どうやらすっかり警戒されている様子らしい。

ラディスとフォックスは顔を見合わせる。

「どうしたんでしゅ?」

リムは不思議そうに見上げた。

「……いいから」


あれじゃ本物かどうか分からない。

奴(あれ)はフォックスの口調や仕草、表情なんかも綺麗に真似てみせた。確かに、憑依してたからこそってのも一理あるだろうけどコピー能力を得ている側としてはあれがどれだけ異様かってことくらい分かる。

だって、初対面の筈だろ。だからあれはおかしいし有り得ない。


「……なあ」

なんて思ってたけど。

「あれフォックスとちゃうん?」

こいつらは警戒していない。

だけなら未だしも、リンクまで。ってことはつまり、そういうことでいいってことなのかな。……

あまり警戒張り巡らせても肩凝るだけだし、

「……なんでもないよ」

構えを、解く。

「おかえんなさい。それとお疲れ。……色々と」
 
 
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